屋外ディスプレイの反射を抑えるには?

屋外ディスプレイの反射を抑えるには?

~MOSMITE™などの低反射材料と前面インターフェース設計~

屋外で使用するディスプレイでは、周囲が明るくなるほど画面が見えにくくなることがあります。

そのため、屋外端末や産業用HMIでは「LCDをもっと高輝度にしたい」という要求がよくあります。

もちろん、LCDの輝度は屋外視認性を左右する重要な要素です。

しかし、画面の見やすさは輝度だけで決まるものではありません。

Cover GlassやTouch Panelの表面で外光が強く反射すると、LCDから出てくる光を増やしても、映り込みによって表示コントラストが低下する場合があります。
そのため、屋外ディスプレイでは、


「どれだけ明るくするか」と同時に、「不要な反射をどれだけ減らせるか」

を考えることが重要です。

反射対策には、いくつかの方法がある

ディスプレイ前面の反射対策としては、用途に応じてさまざまな方法があります。

例えば、
- AG(Anti-Glare)
- AR(Anti-Reflection)
- 低反射フィルム
- Optical Bonding
- Cover GlassやTouch Panelの表面設計などです。

AGは外光の映り込みを拡散させる方法、ARは表面で発生する反射そのものを低減する方法です。

また、Optical BondingによってCover Glassと表示部の間の空気層をなくすことで、内部反射を減らせる場合もあります。

それぞれに特徴があるため、単純に「反射率が低い材料を選べばよい」というものではありません。

微細構造で反射を抑えるMOSMITE™

低反射材料の一例として、三菱ケミカルのモスアイ型反射防止フィルム MOSMITE™ があります。

MOSMITE™は、蛾の眼の表面構造を応用した微細な凹凸構造によって、空気と材料の界面で生じる反射を抑える考え方の光学フィルムです。

一般的なコーティング型ARとは異なるアプローチで低反射性能を実現しており、ディスプレイ前面の映り込み低減を検討する際の選択肢の一つになります。

こうした低反射材料は、屋外ディスプレイだけでなく、産業機器、医療機器、車載HMIなど、表示の見やすさが重要となる用途でも検討されています。

材料単体の性能だけでは、最終的な見え方は決まらない

ここで重要なのは、低反射フィルム単体の性能と、完成したディスプレイの性能は同じではないという点です。

実際の表示モジュール前面には、
Cover Glass
Touch Panel
OCA/OCR
Optical Film
LCD
など、複数の材料と光学界面が存在します。

それぞれの界面で反射が発生する可能性があり、低反射材料をどこへ配置するかによっても、最終的な効果は変わります。

また、実際の製品では反射率だけでなく、
- 全光線透過率
- Haze
- 色味
- 表面外観
- Touch操作性
- 耐擦傷性
- 清掃性
- 耐候性
- 貼合性
- 温湿度信頼性
なども確認する必要があります。
つまり、


「低反射材料を採用すること」と「見やすく、量産できるディスプレイをつくること」は別の設計課題です。

高輝度化と低反射化を一緒に考える
屋外視認性を改善する際、高輝度LCDと低反射材料は、どちらか一方を選ぶものではありません。
例えば、非常に明るい環境ではLCD側の高輝度化が必要になる場合があります。
一方で、前面反射を低減できれば、必要以上にバックライト出力を上げずに視認性を改善できる可能性もあります。
バックライトの高輝度化は、消費電力、発熱、LED寿命などとのバランスが必要です。
そのため、

High Brightness × Low Reflection
の両方を表示システムとして考え、最終製品に必要な視認性をどこで実現するかを決めることが重要です。

貼合・Cover Glass・Touchまで含めて考える
低反射フィルムを採用する場合、その前後の構成も重要になります。

例えば、
Cover Glass表面へ配置するのか、Touch Panelを含む前面構成の中で使用するのか。
Optical Bondingを併用するのか。
AG、AFなど他の表面機能とどのように組み合わせるのか。
さらに、印刷段差、貼合条件、Filmの位置精度なども量産時には確認が必要です。
材料の特徴を生かすためには、材料メーカーの技術だけでなく、加工、貼合、表示モジュール設計をつなげて考えることが重要です。


 

UNIDISPLAYの提案

UNIDISPLAYでは、屋外ディスプレイの視認性を検討する際、LCD単体だけでなく、LCD+Touch Panel+Cover Glass+Optical Film+OCA/OCR+Optical Bondingまで含め、前面インターフェース全体の構成を確認します。

MOSMITE™のような低反射材料についても、その特徴や適用条件を確認しながら、用途に応じた材料選択肢の一つとして検討します。

重要なのは、ある一つの材料を採用することではなく、使用環境、必要な視認性、耐久性、量産条件、コストなどを含め、最終製品としてバランスの取れた構成をつくることです。

材料、加工、貼合、表示モジュールそれぞれの専門性をつなぎ、最終製品として成立する前面構成へまとめること。

それが、UNIDISPLAYが考える表示モジュール統合の一つの役割です。

屋外ディスプレイ、産業用HMI、医療機器などで、反射、映り込み、屋外視認性、Cover GlassやOptical Bondingを含む前面構成について課題がございましたら、お気軽にご相談ください。

※MOSMITE™は三菱ケミカル株式会社の商標です。
※記載している材料・構成は一例です。最終仕様は使用環境、要求性能、信頼性評価等を確認したうえで個別に検討します。


                                                                                                                                                                  

 

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